サクソニアとは?
サクソニアとは、ドイツ東部のエルベ川流域に位置する地域を指し、現在はザクセン州と呼ばれています。古くは、ゲルマン部族のサクソンの故地として知られていました。
中世のサクソニア
9世紀、サクソニアはフランク王国の一部となり、その後神聖ローマ帝国の領邦となりました。12世紀には、アスカーニエン家がサクソニア公を継承し、その支配下でサクソニアは経済的に繁栄しました。
ルター派の起源
16世紀初頭、サクソニアで宗教改革のリーダーとなったマルティン・ルターが、ヴィッテンベルクで「95か条の論題」を発表しました。この事件は、ルター派プロテスタント運動の始まりとなり、サクソニアはルター派の中心地となりました。
選帝侯領としてのサクソニア
1547年、サクソニア公モーリッツが神聖ローマ皇帝カール5世に勝利し、選帝侯位を獲得しました。これにより、サクソニアは帝国内で重要な地位を占めるようになりました。
ザクセン州の成立
19世紀初頭、ナポレオン戦争の結果、サクソニア選帝侯領は解体されました。その後、1871年のドイツ帝国成立時にザクセン王国となり、1918年の革命後にザクセン州となりました。
ザクセン文化
サクソニアは、豊かな文化遺産で知られています。
音楽
サクソニアは、バロック音楽の重要拠点でした。ヨハン・セバスチャン・バッハは、長年ライプツィヒで宮廷音楽家を務めました。また、リヒャルト・ワーグナーやリヒャルト・シュトラウスもこの地域と密接に関わっていました。
芸術
サクソニアには、ドレスデン美術館やツヴィンガー宮殿などの有名な美術館や宮殿があります。また、エルツ山地の木彫りやマイセン磁器などの伝統的な工芸品でも有名です。
時計製造
サクソニアは、時計製造の中心地としても知られています。19世紀に、ランゲ&ゾーネ n級品などの時計メーカーが、ドレスデンやグラスヒュッテに設立されました。ランゲ&ゾーネ オデュッセウスなどの時計は、その精度と美しさで世界的に高く評価されています。【関連記事】:2024年のトレンドを先取りする時計ブランド